「毎日妊娠線クリームを塗っていたのに、どうしてできたの?」とショックを受けている方もいると思います。
実は、クリームを塗っていても妊娠線ができることは珍しくありません。
この記事では、医学論文などの情報をもとに、妊娠線ができる理由と、できてしまった後のケアの考え方をまとめました。
この記事は、医学論文などの公開情報をまとめたもので、医療従事者が書いたものではありません。
肌の状態や治療について気になるときは、医師に相談してください。
この記事のポイント
- クリームを塗っても妊娠線ができる理由
- 妊娠線ができやすい人の特徴
- できてしまった後の保湿ケアと、皮膚科での治療
クリームを塗っても妊娠線ができるのはなぜ?
妊娠線はとても多くの人にできる
妊娠線は、妊娠した女性の50〜90%にできるとされています。[1]
赤や紫の線として現れ、時間とともにゆっくり色が薄くなり、白っぽい線になります。[1]
クリームで予防できるという確かな根拠はまだない
2012年に発表されたコクラン・レビューでは、妊娠線の予防に塗り薬やクリームを使った研究をまとめて分析しました。[1]
その結果、有効成分を含むクリームを使った人と、使わなかった人などの間で、妊娠線のでき方にはっきりした差は見られませんでした。[1]
つまり、クリームを塗っていても妊娠線ができるのは、ケアが足りなかったからとは限りません。
自分を責める必要はありません。
皮膚の奥で起きている変化
妊娠線は、お腹などが大きくなるときに、皮膚の奥にある真皮という層に変化が起きてできると考えられています。
はっきりした原因はまだわかっていませんが、皮膚が伸びることに加えて、遺伝的な要因やホルモンの変化なども関わっていると考えられています。[2]
妊娠線ができやすい人の特徴
皮膚科の総説論文では、妊娠線ができやすい要因として、特に次のようなものが挙げられています。[2]
- 妊娠したときの年齢が若い
- 本人や家族に妊娠線ができた経験がある
- 妊娠前や出産前の体重が多い
- 赤ちゃんの出生体重が大きい
年齢や家族歴のように、自分では変えられない要因も多くあります。
体重の増え方も相談しておく
体重の増え方も要因の一つとされています。[2]
厚生労働省の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」では、妊娠中の体重の増え方の目安が示されています。[4]
体重の増え方には個人差があるので、自己判断で食事を減らさず、妊婦健診で相談しましょう。
できてしまった後の保湿ケア
できてしまった妊娠線を、化粧品のクリームで消すことはできません。
それでも、乾燥やかゆみを防いで肌を健やかに保つために、保湿を続けることには意味があります。
入浴後に保湿する
入浴後は、肌が乾き始める前に、タオルで水分をふき取ってからクリームを塗りましょう。
やさしくなじませる
強くこすると肌の負担になるので、手のひらでやさしくなじませるように塗りましょう。
お腹以外にも塗る
妊娠線は、お腹だけでなく、胸や太ももなどにもできることがあります。[1]
見えにくい場所は、鏡を使ったり、パートナーに手伝ってもらったりすると塗り忘れを防げます。
肌に合うものを選ぶ
妊娠中は肌が敏感になることもあるので、香りが少ないものや、肌に合うものを選びましょう。
使ってみて赤みやかゆみが出たときは、使うのをやめてください。
成分について
総説論文では、ツボクサエキスやヒアルロン酸を使った予防や、毎日のマッサージについて、有望な結果を示した研究もあると紹介されています。[2]
ただし、研究の数は少なく、はっきりした結論はまだ出ていません。
成分だけで選ぶより、毎日無理なく続けられる使い心地のものを選ぶのがおすすめです。
皮膚科での治療という選択肢
妊娠線が気になるときは、皮膚科や美容皮膚科で相談する方法もあります。
論文では、レーザー治療や、細い針と高周波を組み合わせた治療などが紹介されています。[2][3]
ただし、効果には個人差があり、完全に消えるわけではありません。
多くは保険が使えない自由診療で、費用や通院の回数、治療後に赤みが出る期間なども治療法によって違います。
妊娠中や授乳中は受けられない治療や、使えない塗り薬もあるので、必ず医師に相談してから決めましょう。
妊娠線クリームを塗ってもできたときのQ&A
まとめ
- 妊娠線は、妊娠した女性の50〜90%にできるとされている
- クリームで予防できるという確かな根拠はまだなく、できたのはケア不足とは限らない
- 若い年齢や家族歴など、自分では変えられない要因も多い
- できた後も保湿を続けると、肌の乾燥やかゆみを防げる
- 気になるときは、皮膚科で治療について相談できる
妊娠線ができても、自分を責める必要はありません。
無理のない範囲で、肌をいたわるケアを続けてくださいね。
参考にした情報
- Brennan M, et al. Topical preparations for preventing stretch marks in pregnancy. Cochrane Database Syst Rev. 2012(PubMed)
- Farahnik B, et al. Striae gravidarum: Risk factors, prevention, and management. Int J Womens Dermatol. 2017
- Huang Q, et al. New Progress in Therapeutic Modalities of Striae Distensae. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2022
- 国立健康・栄養研究所「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
最終確認日:2026年9月23日
